東京地方裁判所 昭和44年(借チ)1078号 決定
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〔決定理由〕
(申立の要旨)
1 申立人は、相手方から東京都渋谷区西原二丁目六番一宅地1137.19平方米(344坪)のうち265.78平方米(80坪4合)を非堅固建物所有の目的で賃借中にして、同地上に別紙目録(一)記載の建物(以下本件建物という。)を所有している。
2 申立人は、本件建物に別紙目録(二)記載の増改築をしようと思うが、相手方の承諾が得られないので、賃貸人の承諾に代わる許可の裁判を求める。
(決定理由)
1 本件の資料によると、申立の要旨として掲げた1の事実のほか、本件借地契約の期間は昭和四六年六月二二日までであり、賃料は昭和四四年一月一日以降一ケ月六〇三〇円であること、借地人の増改築には賃貸人の許諾を要する旨の特約が存することが認められ、本件増改築は土地の通常の利用上相当であると認むべきであるので、本件申立は、これを許可すべきである。
2 附随の裁判
本件増改築により本件建物の耐用年数が延長されるとは考えられず、敷地の主観的利用効率は増加してもこれは借地人の資本投下によるものにして、敷地の客観的利用効率に消長を及ぼすものではなく、また、後記の如く、借地期間を延長するのを相当としないので、本件許可の裁判に伴い申立人に財産上の給付を命ずる要を見ない。
残存期間は昭和四六年六月二二日までで、あと僅かの期間を残すに過ぎないが、期間を延長することは、期間満了の際における賃貸人の更新拒絶権を奪うことになるので、相当でない。
賃料は現行賃料に改定されて以来日も浅いので、これを改定するのも相当でない。
以上のとおり、附随の裁判をする要はないものと認められるので、増改築許可の裁判のみをすることとし、主文のとおり決定する。(小山俊彦)
目録
(一) 東京都渋谷区西原二丁目六番地
家屋番号 六番
木造瓦葺二階建居宅一棟
床面積 一階 83.37平方米
(25坪2合2勺)
二階 35.53平方米
(10坪7合5勺)
(二) 増改築の内容
右建物の一階南側に約22.31平方米、北側に約5.78平方米、二階北側に約4.95平方米を増築し、本件借地内に約4.95平方米を増築し、本件借地内に鉄骨造車庫一棟面積約9.91平方米を建築する。